私たちを取り巻く文化状況はこの20年間に、随分と変化してきました。
とりわけ1980年代以降、民間企業によるメセナ活動(文化支援活動)が定着し、
地方自治体は、文化施設の建設を積極的に押し進めてきました。
1990年には、企業メセナ協議会が設立され、国においても、芸術文化振興基金が創設されました。
その後、国における文化予算も年々増え続けています。
このような状況をさらに推進していくものとして、先般、文化芸術振興基本法が成立しました。
しかしながら、文化芸術振興基本法の成立過程が、
積極的に国民に開かれたものではなかったことに象徴されるように、
文化政策への社会の関心度はまだ低い状況にあります。
加えて、法そのものも、文化権(国民の文化に関する権利)の規定が曖昧である等、
様々な問題点が指摘されています。
現状では、全ての人が文化的享受や創造への参加を保障される文化へのアクセスや、
表現の自由の保障などが、十分な状況であるとは言えません。
また、芸術・文化の東京への一極集中、国および自治体文化政策への国民・市民の参画、
さらに、分権・自治の実現をめざす自治体文化政策の主体性の確立など、
改善すべき課題も、たくさんあります。
私たちは、このような動向に適切に対応し、政策提言を行うとともに、
国民の表現の自由及び文化的享受や創造への参加を広げるために、
「文化政策提言ネットワーク(CPネット)」をスタートさせることにしました。
「文化政策提言ネットワーク(CPネット)」は,
(1) 全国の文化政策研究者、芸術文化活動を行ったり、これをサポートする立場にある人、
さらにこれらの活動に関心を持つ個人などで構成し、特定の政党や宗教団体とは距離を置き、
中立の立場を貫きます。
(2) 地域の芸術文化振興や芸術文化と教育、福祉、まちづくり等との連携のために、
市民や民間の立場から貢献することを目的にします。
(3) 文化芸術振興基本法制定の状況を踏まえ、国に提言を行うとともに、
それぞれの地域特性に応じた文化政策を地方自治体などに提言します。
(4) 文化政策の研究を、学際的な視野から、市民に開かれたものにするよう努力します。
(5) 芸術文化活動における自由と多様性を尊重しつつ、
表現の内容や運営のあり方について行政が必要以上に干渉しないという原則を具体化していきます。
また、市民主導による芸術文化活動をより活発にするための税制のあり方についても、
研究・提言していきます。
(6) 芸術文化活動は市民が主体であるとの考えから、
地域の文化活動関係者やNPO・NGOの活動を支援し、これらと連携していきます。
2001年(平成13年)12月25日